世界測地系座標
測量法の改正により平成14年4月1日から測量の基準が日本測地系から世界標準である『世界測地系』になりました。
これに伴い法務局備え付けの『法第14条1項地図』も現在では世界測地系で表記されています。
測量の基準となる基準点(街区多角点 都市基準点など)も細かく配置され、 私たち土地家屋調査士の作成する『地積測量図』も基本的に世界測地系を基準としたものになっています。 (不動産登記規則 第77条第1項第7号・国土調査法施行令 第2条第1項第1号)
街区多角点 都市基準点が無い地域も
しかし地域によっては、街区多角点 都市基準点が未整備であるため世界測地系に対応する為には遠方の 基準点を結合トラーバース測量を行い基準点設置作業から行わなければならない地域もあります。
私の住んでいる中間市でも街区多角点や都市基準点が整備されていません。 (平成30年11月現在)
GPS測量(GNSS)
そこで活用するケースが増えて来たのがGPS測量(GNSS測量)です。
街区多角点節点や補助点は、『4級公共基準点相当』とされております。
公共測量においても1級基準点測量で利用可能であった電子基準点のみを既知点とした観測方法が効率化を考慮した内容で2級基準点においても利用可能となり測量マニュアルが平成26年4月に整備されました。
これを既知点としてネットワーク型RTK-GPSを利用して『1台準同時観測』(VRSまたはFKP方式)で4級基準点の新点の観測については『GPS機1台』で公共測量業務も可能になりました。
また、基準点の設置が目的ではない土地の境界測量や地積測量図を作成する目的とする測量で近隣に基準点の存在しない地域でも基準点を経由せずに直に電子基準点を既知点とした世界測地系で測量ができるのがGPS測量(GNSS測量)です。
石賀登記測量事務所でもGPS測量を導入しています
石賀登記測量事務所でもGPS測量(ネットワーク型RTK-GPS)を導入しています。
『 GPS測量による確定測量』には注意が必要です。
境界点を直接観測する事には使用しません。
観測用の点(引照点など)をネットワーク型RTK-GPSにより設置しTSによる観測を行っています。
[「登記研究701号カウンター相談173」記事に対する統一見解(意見書)および 日調連発第283号 平成19年11月26日 ]
実際には短い距離の引照点ではなく測量範囲を挟むように50m程度の距離の2点以上の複数点を観測する事によって精度を確保しています。
( 電子基準点から直接観測する単独観測による確定測量はGPS測量の誤差の特性、電子基準点リアルタイムデータ位置情報サービス事業者の特徴も把握した上での運用する事により精度が確保できます。)
(不動産登記事務取扱手続準則第50条の記載は実務においては地積測量図に電子基準点を記載し提出しています。)
石賀土地家屋調査士事務所のある中間市では街区多角点 都市基準点は未整備であるため GPS測量(GNSS測量)を活用する機会が多いです。
<主な業務地域> 北九州市近郊を中心にした地域 八幡西区、八幡東区、小倉南区、若松区、中間市、遠賀町、水巻町、鞍手町、直方市など